クルーズニュース

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クルーズニュース  2014.12

2015年 年頭のご挨拶

会長写真一般社団法人 日本外航客船協会 会 長   入 谷 泰 生 新年あけましておめでとうございます。  一昨年(2013年)、日本のクルーズ人口は過去最高の23万8,000人余りを記録 しましたが、昨年(2014年)はそれをさらに上回るのは確実と見られています。 その背景には、外国クルーズ船社による半年間にわたる日本発着クルーズの展 開と、日本船の健闘がありました。日本船については1隻減船となりましたが、 既存船3隻の集客は予想以上好調で、全船とも前年実績を上回りました。販売に ご尽力いただいた旅行会社、そして数ある旅行商品の中からクルーズを選んでいただいた乗客の皆様に、あら ためて感謝申し上げます。  一方、日本船に対する規制緩和が着実に進んでおり、私たちも大いに歓迎しているところです。国土交通省 はじめ関係者の方々の多大なご理解、ご協力のおかげと感謝しております。当協会では、規制緩和を検討する タスクフォースを2012年10月に設置し、問題点や要望事項について検討、国土交通省にお願いして参りました。 その結果、従来、海外貸渡し方式による日本籍混乗客船は、対象となる外国人船員を「主としてサービス業務 に従事する」と限定していたものを「運航部員」も含まれることになりました。その結果、運航部員確保の問 題や、費用の軽減等が図られることになりました。  規制緩和の重要なテーマはまだ残っており、実現に向けて、さらに前進することを私たちは切に願っており ます。  さて、2015年の展望ですが、米国経済の回復は軌道に乗ったとされる一方、欧州経済は依然、先が見えない 状況が続いています。国内では急激な円安や変動の激しい株価、消費税をめぐる動きなど、私たちにとって不 安材料は少なくありません。また、クルーズ業界は昨年、順調に売上を伸ばした反面、日本列島を縦断した台 風の影響で、航路変更、日程短縮やクルーズ・キャンセルが相次ぎ、大きなダメージを被りました。安全運航 と安定的な事業を追求する私たちにとって、昨今の天候不順は大変悩ましいことであるのは事実です。  とはいえ、クルーズ業界がさらなる高みを目指していくことは言うまでもありません。今年も春から秋にか けて、外国船社の日本発着クルーズが活発に展開されます。中国発着の日本寄港クルーズも徐々に復活し始め ています。こうした動きは富裕層に限らない新たな顧客の開拓、クルーズの認知度アップに大きく寄与すると ともに、地域経済の活性化にも大いに貢献するものです。一方、日本船社は、あらためて日本船の強み、日本 船らしさ、魅力をマーケットに訴求し、外国船と明確に差別化を図れるチャンスだと思います。  当協会と一般社団法人日本旅行業協会で実施している、クルーズアドバイザー認定制度による資格取得者は 平成26年度までに5,437人に達しました。旅行業界でクルーズが、最も重要な旅行商品の一つに位置付けられ ていることはたいへん喜ばしく、私たちも旅行会社、お客様の期待に沿えるようクルーズ振興にしっかりと取 り組んで参る所存です。  一方、国際定期旅客船は、日韓、日中の政治的問題、また福島原発事故による風評被害等から、フェリーや 高速船を使った乗船客が大幅に減少しました。さらに、2014年4月には韓国のフェリー「セウォル号」の転覆 事故により、訪日韓国人観光客の船に対する不安感がなかなか払拭されず、厳しい状況が続いています。  しかしながら、近隣諸国との間を高速で結ぶ国際フェリーは、人々の身近な旅行手段であると共に、物流の 大きなツールともなっています。そのため、一刻も早い日韓・日中関係の正常化とともに、セウォル号事故問 題が収束することにより、フェリー・高速船の物流・乗船客が復活することを願っています。引き続き、お客 様ならびに旅行業界の温かいご支援をお願いしたいと思います。  今年も日本のクルーズ業界、国際定期航路を取り巻く環境に種々懸案事項はありますが、中長期的に見れば、 本事業の発展は確実と信じております。日本独自の文化を背景にして、日本船にしかできない、日本人にとっ て最も快適で、高品質のクルーズを追求し、日本のお客様の要望に応えられるように、努めてまいりたいと思 います。  最後に、なお一層の安全運航に努め、事業の基盤を確固たるものとする覚悟を新たにし、新年のご挨拶とさ せて頂きます。