クルーズニュース

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クルーズニュース  2018.12

2019年 年頭のご挨拶

一般社団法人 日本外航客船協会 会 長   山 口 直 彦  さて、この春、「平成」は新しい元号に変わります。振り返れば、日本で初めて 本格的なレジャークルーズを目的とした客船が就航し「クルーズ元年」と呼ばれた 1989年は、新しい元号「平成」が始まった年でもありましたが、日本のクルーズ業 界の歩みは、まさに平成の時代とともにあった30年間でした。  この間、世界のクルーズ・マーケットは大きく変化しました。海外ではブランド の統合・系列化が進み、アジアでも巨大なクルーズ企業が台頭しました。船も巨大 化し、30年前は7万トンで争っていた「世界最大客船」は、いまや20万トン超えで す。価値観の多様化、マーケットの世代交代に伴い、クルーズ商品の数、選択肢も飛躍的に拡大しました。  一方、日本のクルーズ業界は、2017年の日本のクルーズ人口が初めて30万人を突破し31万5000人に達すると いう、「平成時代」の終わりに大きなブレークスルーを経験し、また、合わせてインバウンドにおいても、寄 港回数が2,764回、訪日客も252.9万人と、いずれも過去最高を記録しました。2018年、2019年もこうした動き を維持して記録を更新し、新しい時代の幕開けとなることを祈念しております。  ここ数年、国内マーケットの拡大に貢献しているのが、外国船社による日本発着クルーズです。参入船社の 数が増えたばかりでなく、ほぼ通年で日本発着クルーズを展開するなど期間も長期化したほか、外国クルーズ 船による日本発着の世界一周チャータークルーズを初め、大型客船をチャーターする旅行会社が相次ぎ、更に は、TV番組でクルーズ客船が取り上げられるのは今や日常茶飯事で、TVショッピングによる大量集客なども行 われる時代となりました。このような積極果敢な取り組みは、わが国クルーズ人口の底上げと新規マーケット の開拓に寄与するものと期待しております。  日本船社の集客もおかげさまで好調に推移しています。「飛鳥Ⅱ」は昨年3年ぶりとなる世界一周クルーズ を一周コース乗客で完売し、わが国における「世界一周クルーズ」の存在意義を明確に証明したとして、当協 会主催「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018」のグランプリと記念すべき第1回国土交通大臣賞を授賞しました。 また、地方港発着クルーズを多く展開する「にっぽん丸」による瀬戸内海とのコラボレーション企画や、昨年、 就航20周年を迎えた「ぱしふぃっくびいなす」の記念クルーズ等、各社とも丹念に作り込んだ企画クルーズは 大変盛況であったと聞いています。このように、日本のクルーズ業界は外国クルーズ客船との住みわけが進み、 新たな時代を迎えています。  また、クルーズ商品の販売促進を目的に、当協会が2003年から導入したクルーズアドバイザー認定制度によ るクルーズ・コンサルタント認定試験の合格者数は、昨年までに 7,970人に達しました。こうしたクルーズに 精通した旅行会社の販売要員の育成は、マーケットの拡大、活性化に不可欠であり、旅行会社による着実な集 客とチャレンジングな商品づくりにつながっていくものと確信しており、クルーズアドバイザー1万人時代を 目指して、本年も引き続き人材育成に取り組んで参ります。  一方、国際定期旅客船の利用者数は、韓国からのお客様に支えられ、2010年以来キープしている 100万人の 大台を昨年も維持し、143.9万人の実績となりましたが、過去5年間、日本人利用者数はピーク時の半分に満た ない水準で推移しており、国際定期旅客船を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。近隣諸国との 間には政治的、地政学的にさまざまな問題が横たわっていますが、一日も早く関係改善が進み、東京オリンピ ック・パラリンピックの年に就航すると発表があった約500人乗りのトリマラン新造船「クイーンビートル」が 起爆剤となり、国際物流にとどまらず国際人流でも大きく貢献できる時代がやってくることを願っております。  最後に、当協会は人命第一になお一層の安全運航に努めるとともに、クルーズ業界の健全な発展、マーケッ トの拡大を目指して取り組んでいく所存です。引き続き、ご支援、ご理解のほどお願い申し上げます。